「先週まで高校生でした」
そんな初々しい(スギル?)新入生が大ホールに集まって「リ基礎」こと京都工芸繊維大学名物講座「リーダーシップ基礎 I」がスタート。4月6日のことである。
履修者144名(1年生)、教員9名、SA8名(2年生)、見学者のべ113名(!)。
見たことないビッグな授業。参加人数もさることながら、なにかと太っ腹な授業デザイン。
「亀岡市が若者にとって<住みたくなる街>になるためにどんな交流拠点があればいいか?」との提案をグループワークにて考える、というPBL(プロジェクトベースドラーニング)のカタチを取る。
亀岡にて実際に移住促進などの事業を展開する実践者をゲスト講師に招き、地域の課題や彼らの取組への思い、実態、情熱を聞く。
これを受け、専攻の異なる学生たちが5名ほどのチームを組んで、案を考え、亀岡市長や地域での実践者たちに対しプレゼンを行う。
、、、という「経験」を<材料>として。
「リーダーシップを学び取る」という、カリキュラム、なのだ。
、、、スゲイ。
よー~~~~~~、でけてる!!!(言い方!失礼。)
スベテのプロジェクトには「谷」がある。(ときに「死の淵」とも呼ばれる。笑。)
この「谷」をいかに乗り越えるのか?
学生たちは、高校までの「正解が用意された問題」ではなく、「正解なき課題」を「チームメンバーとともに」取り組んでいくこととなる。
授業のグラウンドデザインは津吹達也特任准教授による。今年3年めとなるカリキュラムだ。
そもそも「ハジメマシテ」のオール1年生メンバー。専攻も異なる。「リ基礎」だけの仲間たち。
集まるだけでも一苦労。(身に覚えあるな~、このカンジ。笑。)
一連の山谷を経験して、知らぬ間に、「リーダーシップとは何なのか」、生きた気付きを得る。
* * *
授業進行で大きな役割を果たすのがSA(スチューデント・アシスタント)。昨年の「リ基礎」の受講者たち、つまり2年生である。
講師陣とともに授業計画のmtgから、毎回の授業進行の振り返り、環境のセッティング、受講生へのLINEでのフォローアップ。これらに加え、授業進行の一部も任される、、、と言うか、「三~四部」くらいのイキオイで任される。(スベったりもする。笑。←これがまた大事なのだ!)
彼らSAの存在は受講生にとってとても大きく、また、彼ら自身のマナビは受講生よりも大きいだろう。
「2周目」となる彼らは、「リーダーシップ」のレイヤーが数段上がる経験を得る。
* * *
さらに、である。
この授業には「見学者」がやってくる。(のべ113名も。)
誰やねん、このヒトら??(私も含め~)
彼らは、いわゆる「授業参観」のように、教室のうしろで「おとなしく」しているワケではない。
ときにグループワークのメンバーとして受講生とともにディスカッションに入りこみ、ときに受講生の発表に対しそれぞれの社会経験から教室中に響く大声で意見(ダメ出し?笑)し、ときに「授業内容の振り返りの進行役(*1)」として教室全体のファシリテーションを行う。(私も60分間ファシリをさせてもらった。)
、、、なんとゆー太っ腹。
何言い出すか、ワカランのやで、見学者たち??
しかも、事前に先生方に(必ずしも)会ったワケではなく、イキナリ教室でお会いするのだ。
(けれど「安全」へのセーフティネットはある。ここらあたりが経験値か。長くなるのでここでは書かないが。)
「見学者も参加する」という仕組みは、3年目となる「リ基礎」に今年新たに加わった仕組みである。これは、筒井洋一先生によって持ち込まれた。(ZOOMによるオンライン中継も!)
* * *
津吹先生、筒井先生による「混沌ウエルカム、多様性ウエルカム、谷間ウエルカム!」な太っ腹なグラウンドデザインにより、「リ基礎」は動き出す。
場に「創造的な混沌」が創り出される。
これって、マナビがもっとも促進するヤツやんか~~~!!!
一方で、混沌を混沌のままに置いておくと、もやもやが残る。(残した方がよいもやもやも多々あるが。)
全15コマの授業のオーーーーーールラストに、受講生1人ひとり、1分ずつのプレゼンの時間が与えられる。
この限られた時間に(限られた時間だからこそ)、もやもやを晴らさんため?受講生1人ひとり、凝縮された渾身のメッセージが発せられた。(聞き応えのないプレゼンは誰1人としてなかった!)
それを聞けるのは、あのとき、あの場にいた人たちのシヤワセな特権だろう。受講生、SAさん、先生がたに敬意を表し、内容はここでは書かない。あの場に立ち会わせていただいたことに感謝。
さあ!この経験をどう活かそう、、、?
▼津吹達也先生
https://www.facebook.com/tatsuyatsubuki
▼筒井洋一先生
http://tsutsui-media.net/?p=3080
※1:
この振り返りは「Midterm Student Feedback(MSF)」と言う。全15コマのうち、10時間目に相当する時間帯に開かれた。中間で行うからこそただちに授業改善へと活かされる。受講生が授業内容に対しフィードバックを行うのだが、その対象となるのは授業を進行する講師陣とSAである。学生からの本音を引き出せるよう、第三者である「見学者」がこのワークの進行を行うのだ。5つの教室で同時進行されたこの振り返り、5組の見学者たちが同時にワークを進行した。(私も1クラス任せていただいた。)
見も知らぬ見学者たちに教室を任せた先生方の心境やいかに。(私ならコワイ~!)「単なるクレーム」にならないよう、安全性へのグラウンドデザインはなされていた。が、クラスによって、正直、山谷はあったろう。任せてくださったY先生とSAのみなさん、受講生のみなさんにひたすら感謝、なのである。
コメント
[…] じゃあ、8回の授業をどう進めてきたのかですが、これについては、7回出席された見学者の由井真波さんがブログに書いておられますので参照下さい。 […]