デザイナーMの備忘Log

「スマホ、ハンカチ、サイフ、デザイン。」 デザインを持ってでかけよう。

日: 2019年12月1日

  • 授賞式と安息日。HCD-net AWARD2019…20191129fri.~30sat.@東海大学高輪キャンパス

    授賞式と安息日。HCD-net AWARD2019…20191129fri.~30sat.@東海大学高輪キャンパス

    今朝も早起きしてしまった。
    お得なチケットにするため、東京に朝早い新幹線で行ったリズムが身体についてしまったことがある。
    が、それのみならず、脳がまだ興奮状態にある。

    一昨日(金)から昨日(土)と、東海大学高輪キャンパスで開催された「HCD-netフォーラム2019」(*1)に参加してきた。
    一夜明けて、日曜の京都である。

    * * *

    フォーラム全体のテーマは
    「Reiwanovation ~ 社会課題を解決する令和のイノベーション ~」
    である。

    晴れた空。大きなテーマ

    大きい。

    基調講演がそれぞれに個性的である。
    、、、と言うか、一見すると「バラバラ」に見えるかもしれない。
    しかし通して聴くと、底に、それぞれに「意味の問い返し」(*2)があることが見えてくる。

    福島先生、益田先生の講演が今の私にささる。
    両先生とも、ご自身の内なる「真実」に基づいて行動されている。
    強い。そしてやさしい。

    福島先生(*3)は、福祉を「福祉枠」で収めないよう、経済を伴うアート&デザインプロジェクトを立ち上げ、領域を越え始めている。
    益田先生(*4)はデザインやSDG’sの捉え方そのものを問い返している。

    「今の状態は続けてはいけない。持続できないのではなく、持続させてはいけない」と益田先生。
    (手元のメモなので厳密には言葉遣いは違うと思いますが。)

    この言葉にすうっと癒される感触を感じた。
    この感覚には覚えがある。

    Eテレ放送のジャレド・ダイアモンド博士の教室シリーズにて、ダイアモンド博士も同じスタンスで高校生たちに語りかける。
    それを受け留めた高校生たちは、むしろ活き活きし始める。
    ネガティブな要素をきちんと伝えた上で、かえって生命力のバネを瑞々しく発動させる、そんな伝え方が私にできるだろうか。

    * * *

    オープニングパネル、基調講演(4本!)と2つの表彰式を経て、1日めのプログラムのラストが「HCD-net AWARD 2019」(*5)の発表と授賞式である。

    私たちはアウォードにエントリーしていた。
    が、この瞬間まで、どの賞に入賞しているのか知らされてはいない。

    超・ドキドキである。
    (今思いかえしても、緊張で指が冷たくなってくる、笑。)

    候補作すべてが紹介される。私たちはエントリー7

    そして、本当に有り難いことに「最優秀賞」として呼び声がかかった。

    2人で壇上へ。プレゼンターは篠原理事長

    私たちの発表テーマは次のとおり。

    「当事者を主体者に変える、『動機のデザイン』とプロセスモデル
    小さな現場が自律し行動し続けるための、デザイナーの視点と働き」(*6)

    頭が白くなり原稿から目が上げられず。わずかな瞬間を水本さんが捉えてくれました

    * * *

    翌2日め、発表が終わったことで気持ちにゆとりができる(笑)。

    朝からすべてのプログラムに参加した。
    午後の「研究発表会」(*7)が、また楽しかった。

    「口頭発表」では、武蔵美の朝山さんの発表(*8)に引き込まれる。
    なんと、アリストテレス以来の「人間らしさ」の意味の問い返しである。
    経営者たち30名からのデータを集めている。

    「ポスター発表」は、千葉工大の岩井さんの「見守りシステム」(*9)がチャーミングであった。
    (近ければ、ブラッシュアップのディスカッションに参加したいくらいなんだけど~!)

    岩井さんのツール、「センサー」と「活動」をペアにして、カレンダーに並べていけるところが素晴らしい

    * * *

    2日間に渡るフォーラムのラストは、高校生(晃華学園高等学校)からの発表(*10)である。
    、、、なんと粋な、、、!

    前日に、益田先生が「SDG’s17項目の全てがデザイン領域である。行動しろ。」と言っていた。
    16才の彼女たちは、既にすべての項目を自分たちなりに読み解き、行動に移している。
    タブレット片手に、楽しそうに。

    * * *

    高校生の発表が終わり、「質問ありますか?」との時間帯に、咄嗟に手を挙げられなかった。(ダメじゃん!)
    彼女たちとて、取り組みの全てが楽しかったわけではあるまい。(それはそれで気色悪い、笑。)
    それでも、本当に楽しいと思う瞬間がたくさんあったろうことは充分に伝わってきた。

    帰りの新幹線で、ようやく浮かんだ。

    「楽しかったこと、ささやかでもいいから自分がそう感じることができた、秘訣みたいなことがあったら教えてください。」
    そう聴けばよかった。

    金・土の開催であったため、一夜明け、今日は日曜日。
    興奮の余韻を反芻しつつ、心から深呼吸する安息日である。

    明けて12月、空が抜ける安息日

     

    ■追加ご案内(20191225追記)
    2020年新年早々、この受賞式で発表しました内容を、ご紹介する機会が連続して訪れます。

    ★一つは成安の授業内ですので、成安関係者しかお聴きいただけませんが受講生以外もぜひ聴講ください。
    (1/6・月2限「コミュニティデザイン論2」、発表は11:45分頃から10分間を予定)

    ★もう一つは1/14・火、13時より島津製作所にて。詳細はこちらからどうぞ、、!
    UXの実践と深淵 ~HCD事例発表会 + Future Experience(FX)フォーラム~
    https://peatix.com/event/1391857/view?utm_campaign=follow-organizer&utm_medium=email&utm_source=event%3A1391857&kme=reco-clk&km_reco-str=PodMember

    ■補足
    *1:“HCD-netフォーラム2019”
    https://www.hcdnet.org/hcd/event/entry-1359.html#prettyPhoto

    *2:「意味の問い返し」
    基調講演の1本目は本條先生による「意味のイノベーションと消費文化」。
    2日間の旅のナビとして、まんまと(?)はめられました、笑。

    基調講演①:本條 晴一郎(ほんじょう せいいちろう)氏/静岡大学学術院工学領域
    『講演タイトル:意味のイノベーションと消費文化』

    *3:“福島先生”
    基調講演②:福島 治(ふくしま おさむ)氏/グラフィックデザイナー、(株)フクフクプラス 取締役
    『講演タイトル:世の中に無いサービスをデザインして、障がい者の収入をつくる』

    ほんまに実行してはった。収入が生まれる仕組みをデザインしてはった。

    *4:“益田先生”
    基調講演④:益田 文和(ますだ ふみかず)氏/デザインコンサルタント、(株)オープンハウス代表取締役
    『講演タイトル:Inclusivity and SDGs』

    教え子たちがセルフビルドした、文字通りの「オープンハウス」を拠点に活動されている。驚。

    *5:「HCD-net AWARD 2019」
    会として、今年よりアワードの意味を問い返し、新たな審査方法を導入し、姿勢を示している、とのこと。
    表彰の際も、5組の受賞者一つひとつに対して、芯を捉えた分厚いコメントとともに紹介いただき、熱い意気が伝わってきました。じーん。

    ↓HCD-net AWARD 受賞作発表
    https://www.hcdnet.org/practice/award/4th_award/entry-1410.html
    ↓HCD-net AWARD エントリー作一覧
    https://www.hcdnet.org/practice/news/hcd-1356.html

    *6:
    「当事者を主体者に変える、『動機のデザイン』とプロセスモデル
    小さな現場が自律し行動し続けるための、デザイナーの視点と働き」
    ○由井真波(リンク・コミュニティデザイン研究所、成安造形大学)
    小野文子(リンク・コミュニティデザイン研究所)

    「動機のデザインとプロセスモデル」は、実際のプロジェクト遂行時における、
    デザイナーとしての一連の試行錯誤のエッセンスを構造化してみた集大成、、、
    と言うにはまだ早いので、一里塚、となるようなものと思っています。

    今回は、島根県の「和菓子屋さん」のケーススタディに加えて、
    ある「本屋さん」と「帽子工房」にもご協力いただき、事例として紹介させていただきました。
    この3件の方々に加えまして、何十例(数え方によっては百何十例)の現場にて、
    そこで奮闘するみなさまに機会をいただきましたおかげにて、だんだんと生まれてきましたアイデアです。
    心より感謝申し上げます。

    関連ブログ↓
    https://mlog.link-cd.jp/20190923-874.html

    *7:「2019年度冬季HCD研究発表会」
    https://www.hcdnet.org/research/event/entry-1397.html

    *8:
    「顧客体験の創出を目指した企業経営における経営者に求められる要素と”ヒューマンシップ”尺度の策定」
    ○朝山絵美氏(武蔵野美術大学)
    山崎和彦氏(武蔵野美術大学)

    「人間らしさ」に切り込んでいく、カッコイイ発表でした!
    多領域を横断した(であろう)発想にわくわくしました。

    *9:
    「高齢者を対象とした見守り活動を地域住民が主体で計画を立案するツールの制作」
    ○岩井一真氏(千葉工業大学大学院)
    安藤昌也氏(千葉工業大学)
    別府拓也氏(千葉工業大学)

    岩井さん自身の研究・実験を踏まえ発展していっている、とのこと。骨組みがとても魅力的でした。次の展開も楽しみ~!

    *「ポスター発表」ほかにも:
    芝浦工大の片倉さんのToDoアプリもおもしろかった!
    一度書き込んだ「ToDo」をそのまま●●に使うという、、、確かに!紙の上ではやっています~!

    「新入社員をターゲットにしたToDoアプリケーションの提案」
    ○片倉敦也氏(芝浦工業大学)
    吉武良治氏(芝浦工業大学)

    *10:“高校生からの発表”
    スペシャルセッション
    ■テーマ・タイトル:15歳が世界に向けて発信するSDGs
    ■登壇者プロフィール
    晃華学園中学校・高等学校
    校内コンテスト最優秀チーム「Green Eyes」制作メンバー
    JICA特別賞受賞チーム「GALAXY」制作メンバー
    https://www.hcdnet.org/hcd/event/entry-1359.html#link_special2

    2日間の知的な旅を振り返らせてくれるに余りある発表でした、、、!

    交流会にて小野さんと。多くの方とお話しできてうれしかったです、ありがとうございました、、、!