デザイナーMの備忘Log

「スマホ、ハンカチ、サイフ、デザイン。」 デザインを持ってでかけよう。

日: 2019年9月23日

  • 「動機のデザイン」さいしょの一歩。…20190918wed.成安造形大学 大草ゼミ合宿

    「動機のデザイン」さいしょの一歩。…20190918wed.成安造形大学 大草ゼミ合宿

    願っていたことが起きてしまった、、、!

    9月18日、大草ゼミの合宿(*1)でのことである。

    *  *  *

    「動機のデザイン」の着想を、輪郭のぼやけたひな形ながら、Xデザインフォーラム(*2)でお披露目してから2年。

    シンプルにしないと伝わらない。
    使ってもらえない。

    遠くまで届く形にしたい、と、ぐぐぐ、とバージョンアップを試みた、2019年上半期。

    HCD-Netフォーラム。芝浦工大で開かれた。

    まず6月1日開催のHCD研究発表会(*3)にエントリーしてみた。
    これを「締め切り」として、無理矢理に自分にアウトプットを課した。
    こうでもしなきゃ、「自分クライアント」の仕事なんて前に進まない。

    そこで初めて、「KKDモデル」という<姿>に変換してみた。

    【KKDモデル】 カタチ・価値・動機の3視点からなるデザインモデル (図は微調整を経たHI版から)

    ここまでシンプルにして良いものか、と迷いもあった。
    シンプルにすると、飲み込みやすいが、落ちるニュアンスもある。
    悩んだが、まず「伝わること」を選んだ。
    にじみやニュアンス、但し書きは、大きな概念を受け取ってもらった上で、2番目に伝えられたら良し、とした。

    受け取った人が、すぐ覚えられて、アレンジしやすいことを目指した。
    、、、というか、「そうなったらいいな」と、はかなくも願いながら、シンプルなモデル図にしてみた。

    HCDポスター発表。関心ごとが重なる場で、熱心に観ていただく。
    2019、リスタートの機会となったHCD。

    *  *  *

    HCDフォーラムではポスター発表に先駆け、予稿(HCD版)を書いた。
    読んでも「動機のデザイン」がなんなのかわからないとの指摘を受け(イタタ)、それとともにいただいたさまざまなアドバイスに背中を押され、9月4日のHI学会シンポジウム(*4)の対話発表ポスター部門にエントリー。
    HI版の予稿ではもう一歩踏み込み、<言葉>にしてみた。

    HI学会、対話発表。次々と問答が始まる。

    *  *  *

    モデル図であれ言葉であれ、人に伝わるほどに表せたか。、、、かどうかは依然として心もとない。
    まだまだ足りない、至らないことが続々と見つかる。発展途上である。
    けれど2つの機会を得て、自分の経験や考えを、かつてない鮮やかさで「自分で」確認できるほどには、くっきりとしてきたのでは、と思う。

    そして、このタイミングで、大草ゼミの合宿に呼んでいただいた。9月18日である。

    ゼミ合宿の会場、路地の奥の町家「オトナリラボ」。

    *  *  *

    ゼミ生7名に加え、会場の「オトナリラボ」(*5)主宰の芳野尚子氏、成安造形大学 地域連携推進センター(愛称:ちれん)のスタッフ2名に大草先生、11名の前で話す。、、、というか、物理的には、ワイワイと「中にまみれて」話す。

    写真や資料にまみれてワイワイ話す。

    事例を4件、急ぎ足で話したものも含めれば6件を、写真や実物資料とともに紹介。さらに、これら現場の経験の上に導き出した「動機のデザイン」の概念と、これを抽象化し図化した「KKDモデル」を披露した。

    HI学会のポスターを使ってデザイン談義。他の事例も加え、ボリュームたっぷりなトークに。

    みなさん、どのように受けとめてくれたのだろう?

    クロージングで寄せられた感想。沁みる。

    *  *  *

    後日、ちれんのスタッフ(*6)が当日のレクチャー中に描いた、というグラレコの画像を送ってくれた。

    、、、ヤバイ。

    ヤバイ。すっかり身体を通過したレコーディング。(by 山本友輔氏)

    、、、使われている。
    KKDモデル図である。

    単に「聞いた話しを書き留めた」のでは、全くもって、ない。
    レクチャーを聴きながらリアルタイムで、彼は、自分自身の立場や、自分がプロジェクトをともにするメンバーを、モデルに投影し、彼がこれから起こしたい、彼オリジナルの<変化>を書き表していたのだ。

    アカン。ヤバイ。

    モデルの成立条件は、他者に使われることだ(*7)。
    単になぞる、のではなく、自分ではない誰かの身体を通過した上で、使われる―つまり新たに生み出されることだ。

    、、、どうしよう。

    この一歩は人類にとっては小さいが、「動機のデザイン」にとっては大きな一歩である。

     

    ■補足*1:“大草ゼミの合宿”
    成安造形大学メディアデザイン領域(現 情報デザイン領域)、大草ゼミの4年生とともに。
    主宰の大草真弓先生には、常日頃私の未開の価値を探し出してもらい、カタチにするまでの動機づけをおこなってもらっている。
    今回もまた絶好の機会をつくっていただいた。(本記事に使用の写真も大草先生撮影によるもの多数。)

    *2:“Xデザインフォーラム”
    2017年9月24日開催。@千葉工大。この発表に向けて、「カタチ」「価値」に並ぶ3つめのデザインの焦点「動機のデザイン」を強く自覚した。ブログはこちら。
    https://mlog.link-cd.jp/20171003-521.html

    *3:“HCD研究発表会”
    2019年6月1日開催@芝浦工大。主催は人間中心設計推進機構。
    発表の形態は「ポスター」であるが、「予稿」を書くことが主たる目的であった。この予稿執筆に苦しむ中で「KKDモデル図」が出てきた。
    フォーラムでは「ポスター発表優秀賞」をいただき、「HI学会の発表者の受け付けしてるよ、出してみなよ!」と多くの人に背中を押していただき、HIへのエントリーを決めた。

    ポスター優秀賞をいただいた。

    *4:“HI学会シンポジウム”
    2019年9月2~5日開催@同志社大学。主催はヒューマンインタフェース学会。
    HCDで表しきれなかったことを、HI版(特に予稿の論文)ではもう一歩踏み込んだ。
    会場では東京から駆けつけたIkuko Nakajimaさんはじめ、多くの新鮮な反応と貴重なフィードバックを得た。(Nakajimaさんからはモデルの分析を伴う驚異のメモをもとに、即時にマンツーマンでフィードバックをいただいた。感謝。泣。)

    *5:“オトナリラボ”
    主催の芳野尚子氏は学生時代、小社でアルバイトスタッフながら闊達な活躍でいろんなことを「なんとか」してくれていた。
    そしてこの日、私の前に発表された彼女の取り組み―、自分自身の課題意識や、幅広い領域に及ぶ力を使って柔軟に取り組む彼女の動きこそ、「動機のデザイン」のリアルで瑞々しい事例であった。ムネアツ。

    ▼「こどもとはたらく オトナリラボ」
    http://www.ovalplan.co.jp/otonari-labo/index.html

    *6:“ちれんのスタッフ”
    グラレコ(グラフィックレコーディング)を描いたのは、ちれん職員であり、アーティストであり、デザイナーである山本友輔氏。
    自身が日頃、当事者たるアーティストをサポートし、一方で当事者の立場を味わっているゆえか、両方の視座から、完全に「自分のもの」としてモデルの図と概念を「使って」くれている。
    参加のもう一人、寺井氏からも後日、自身の活動を重ねた分厚いメールを頂戴した。
    「動機のデザイン」と「KKDモデル」、2名が「使って」くれている。泣。

    *7:“モデルの成立条件は、他者に使われることだ”
    これは、2019年3月に明治大学 渡邊恵太先生による「PDUデザイン」モデルがよってたかって(?)使われている場に遭遇し、電撃的に思ったことである。
    ブログはこちら。
    https://mlog.link-cd.jp/20190309-821.html

    ■お知らせ…「動機のデザイン」アウォード 挑戦中!・ただいま「HCD-Net AWRRD 2019」にエントリーしています!一次審査を通過した14件が、以下のサイトで公開されています。最終審査の前に、一般に広くご覧いただこうというもの。投票はできませんが「応援できる」、とのことです(笑)。2019年9月30日まで。ぜひご覧ください、、、!

    ▼エントリーNo.10 「当事者を主体者に変える、『動機のデザイン』とプロセスモデル」
    ~小さな現場が自律し行動し続けるための、デザイナーの視点と働き~
    https://www.hcdnet.org/practice/news/hcd-1356.html

    ★追記@20191201★
    その後、「HCD-Net AWRRD 2019」、なんと「最優秀賞」をいただきました、、、!ご覧いただいていたみなさま、本当の本当にありがとうございました、、、!(ブログにまとめました)
    https://mlog.link-cd.jp/20191201-936.html